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担当者インタビュー(南十勝長期宿泊体験交流協議会)

受け入れ組織プロフィール

受入主体

南十勝長期宿泊体験交流協議会

受入調整窓口 

大樹町役場産業課商工観光課子ども交流係

特徴

農業・漁業・林業の体験だけではなく、湖沼でのカヌーやワカサギ釣り、砂金掘り体験など、バラエティーに富んだ体験メニューが町内に揃っている。

水質日本一に6回認定された清流歴舟川が流れ、川を通じて一次産業と自然環境の調和を学ぶことができる。これらを活かした体験プログラム作りを、NPO法人と連携しながら行っている。

役場とともに、町長自ら当プロジェクトへ積極的に取り組もうとしている。

課題

小中規模での実績は積み重ねているが、100人単位での受け入れはまだできていなく、これから受け入れ先を開拓していく必要がある。

担当者プロフィール

担当者

大樹町役場 産業課 商工観光課 子ども交流係

係長 清原 氏

プロフィール

帯広市生まれ。役場に奉職して、主に福祉課にて高齢者や身障者への福祉施策を担当。農林水産課へ移動したのち、平成19年に当プロジェクトの前身となった町内のワーキンググループへ農林水産課からの代表として加わる。平成20年4月、商工観光課の中に子ども交流係ができると同時に同係へ異動となり、現職に就く。

担当者インタビュー

「活動のきっかけと立ち上がりの経緯」を教えて下さい。

もともとは、NPO法人教育支援協会北海道(本部:横浜市)が、平成19年に近隣の清水町と広尾町にて、横浜の子どもを連れてきて体験学習させるための場と内容を探されていた際、大樹町にも何かないかと情報収集にいらして頂いたことがきっかけでした。町長との話にて懇意となり、「子どもに自然体験させることは重要である」という町長の考えも重なり、同年10月に町内関係部署を集めて役場内にワーキンググループを作りました。

まずは半年間かけて子どもに体験学習してもらう意義や目的と可能性の検討をしていきました。具体的には、町内での検討会の開催、子どもの体験学習に関する先進地であった長沼町にて研修会に参加をするなどをして参りました。

この動きとは別に、地域住民が主導する形で「グリーンツーリズムを考える会~現:恵(MEG)ツーリズム大樹~」という組織での活動もありました。東京の成城学園の修学旅行を受け入れて漁船に乗って頂いたこともあるなど、元々活動実績もありました。

これらの動きをもとに、平成20年4月にSTEP(南十勝長期宿泊体験交流協議会)が立ち上がり、当プロジェクトの受け入れ組織として本格的に動き出すこととなりました。

現在は町内一丸となり推進できる環境となっています。

「立ち上げ後の歩みと現在までの活動状況」を教えて下さい。

STEP(南十勝長期宿泊体験交流協議会)を平成20年4月に立ち上げて受け入れモデル地域に指定されました。

その後同年8月に北海道幕別町の途別小学校の5,6年生10人の受け入れをし、冬には宿泊自然体験などをNPO団体の協力のもとで進めました。

平成21年には北海道士幌町立新田小学校の5年生6人を受け入れ、昨年同様冬には宿泊自然体験などを進めました。

平成22年では当プロジェクトとして本格的に複数の学校を受け入れました。北海道池田町立高島小学校、幕別町立明倫小学校、大樹町立大樹小学校のほか、大阪府立中百舌鳥高校修学旅行、大阪府立市岡高校修学旅行、冬休み宿泊自然体験など、実績を積み重ねています。

「現在の中心的メンバーやコーディネーターのような役割」をしている人はいますか?体制はどうなっていますか?

STEP(南十勝長期宿泊体験交流協議会)の事務局は役場内に置き、構成員として会長に町長、副会長に農協組合長、監事に漁協と森林組合の組合長、ほか商工会・観光協会・教育委員会・農業委員会のトップと、NPO法人教育支援協会北海道が入っています。

また、当協議会の下部組織として、「恵(MEG)ツーリズム大樹」をはじめ、「砂金掘友の会」など町内の関係団体が入っています。

役場の中では事務局となる部署を作り、私のほかに専任担当がもう一人います。本来地域の方々から話があがり組織ができるのが理想ではありますが、まずは役場が主導をし、農協や漁業を通じて各農家さんや漁家さんとの連携する体制を作ってきています。このプロジェクトは農家さんや漁家さんをはじめ町内の協力なくしては成り立たない事業でもあるので、役場が主導はしつつも協力・参加をしてくださる方々がいてこその取り組みとなるように心がけています。

この取り組みでの「地域ならではの魅力やセールスポイント」は何だとお考えですか?

種類豊富な体験メニューがあることと、源流から河口まで全て大樹町内を流れる清流歴舟川があることです。

農業・漁業・林業の体験がそれぞれできるだけではなく、川や湖沼でのカヌー体験やワカサギ釣り体験、砂金掘り体験など、バラエティーに富んだ体験メニューが町内に揃っています。

歴舟川は水質日本一に6回認定された清流で、上流域でのキャンプ・カヌー・砂金堀り、中流域での川の恩恵を活かした畑作・酪農、下流域での鮭遡上など、一次産業と自然環境の調和を学ぶことができます。

これらの自然環境があることから雪印さんが進出をして乳製品作りを行う大樹工場もあります。工場見学など産業についての体験学習もできます。

これまでの取り組みで「困ったことや課題と感じること」は何ですか?

協力して頂ける農家さんや漁家さんを探すことです。とくに、学校さんの希望にあわせた場所やメニューを作ることです。

たとえば、先日の口蹄疫騒ぎの時期、酪農を希望する小学校の受け入れが決まっていました。大樹町では特に口蹄疫の問題があったわけではないのですが、酪農家さん個人に対応を依頼するわけにもいかず、牛に触ることもNGとなり、さらに体験学習自体の自粛ムードも出てきました。そのためだいぶプログラムを修正しなくてはいけなくなりました。この時は、チーズ販売や農家レストランもあるファームイン施設を持つ農家さんにお願いをし、立ち入り制限のある牛舎の敷地ではなく、レストランの敷地にて牛の学習をさせて頂きました。

ほかにも、ある小学校の受け入れでは、畑作地帯にある学校であるため農家さんではなく漁家さんを希望されていました。ところがこの当時はまだ農家さんしか受け入れ了承を頂いておらず、小学校の受け入れが決まってから漁家さんの受け入れ先をゼロから5軒開拓しなくてはいけませんでした。私をはじめお願いに回るとともに、町長自ら知り合いの漁家さんに電話をかけてお願いをして私たちが伺い説明をしたりもしました。その結果、何とか5軒受け入れが決定しました。

この取り組みを進めていく上で「大切だと感じること」は何ですか?

協力して下さる農家さんや漁家さんたちがいらっしゃることが大前提の事業なので、理解と協力をして頂く方々を増やして、かつ気持ちよく受けて頂くかを考えることが一番重要です。

知らない子どもたちを宿泊させることは勇気のいることだと思います。それでも、1度受入れをしていただくと、ほとんどの方が「思ったより大変じゃないし、とても楽しかった。自分自身が勉強になった。」という感想をいただきます。

実は、私も1度子どもたちを受入れてみました。そうすると、実際に私が農家さんにお願いに回るときにも実体験をもとに話をしやすくなり、少しは説得力が増したかなと思っています。

「今後の展開」について教えて下さい。

今後の目標として、ホストファミリー(受け入れ農家など)を増やしていき100人単位の受け入れができる体制を目指しています。現在は約30軒あまりの農家さん漁家さんなどありますが、これを50軒にしていきたいです。案内をしていくこととともに、民泊受け入れのためのマニュアル作りなど、実際に受け入れをしたお母さんたちの声を受けて進めていきたいと考えております。

同時に、近隣町村との協力体制作りを進めていきたいと思います。高校の修学旅行では別の町が受け付けた生徒さんを大樹町でも一部お預かりしていく予定です。

着々と実績を積み重ね、子どもたちの受け入れをさらに進めていきたいと思います。  

2011年3月18日

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