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担当者インタビュー(小平町構造改革協議会)
受け入れ組織プロフィール
受入主体
小平町構造改善協議会
受入調整窓口
小平町経済課農林係
特徴
交流拠点として、都市農村交流施設「夕遊創(ゆうゆうそう)」を整備し、自然、伝統文化、農林水産業等の基幹産業と連携した体験研修を通じて、子供たちに自然・環境を認識させる教育活動を行うとともに、都市の子供たちを受け入れることによって、新たな地域活性化を推進している。
担当者プロフィール
担当者
小平町経済課農林係
係長 斉藤 氏
プロフィール
小平町生まれ、小平町育ち。役場に奉職して財政課、経済課、総務課などを歴任し、2009年4月より再度経済課へ異動となり、現職に就く。
経済課では小平の農業などの窓口として、農林畜産部門を担当している。
担当者インタビュー
「活動のきっかけと立ち上がりの経緯」を教えて下さい。
小平町内にある「夕遊創(ゆうゆうそう)」という宿泊・体験施設の稼働率を上げたいということがきっかけでした。
元々の経緯としては、小平町の観光は札幌や旭川から稚内への通過型の場所であったため少しでも宿泊観光に結び付けたいと考えていたことと、農産物や海産物を加工する場を作りたいという考えがありました。
そこで、閉鎖をしていた青年の家を改修のうえ、平成18年に町営の宿泊・体験施設「夕遊創(ゆうゆうそう)」ができました。
小学5年生や中学校1,2年生の宿泊研修や、高校や大学の合宿などに利用されてきたほか、町内の方々にも加工品を作る施設としても利用されてきました。
この施設をよりもっと活用して頂きたいため、小学生への利用促進を図るきっかけにしていきたい考え、このプロジェクトに取り組みはじめました。
「立ち上げ後の歩みと現在までの活動状況」を教えて下さい。
「夕遊創(ゆうゆうそう)」ができてからは、まずは集客案内をしていくことからスタートしました。
私自身、美深町から旭川市までの小中高校100校あまりに3泊4日かけて全てに伺い、当施設の案内のPRをしたこともあります。この前年には、滝川市と深川市周辺にある学校にも伺いました。
学校さんからは交通手段の確保がネックとよくお話を頂きましたが、小平町には大型バスがあるので小学校から小平町までの送迎も可能です。一番遠くで小樽市まで行きました。
当プロジェクトとしは、平成20年に遠別町立遠別小学校の5年生31名を2泊3日にて、平成21年に江別市立大麻泉小学校の5年生34名を4泊5日で受け入れました。
ともに、農家民泊は1泊で、遠別小学校さんが農家さん3軒と漁家さん3軒に、大麻泉小学校さんが農家さん7軒に宿泊しました。
「現在の中心的メンバーやコーディネーターのような役割」をしている人はいますか?体制はどうなっていますか?
現在は町が中心となり、「小平町構造改善協議会」という組織を通じて当プロジェクトの活動をしています。協議会の主な構成組織として、農協・漁協・商工会・観光協会などが加わっています。
中心に動いているのは、町役場の経済課で、担当は私になります。
農政を担当しているので、農家さんとは当プロジェクトに関わらず関係性を蜜にしております。漁師さんに対しては漁協などを通じて依頼や相談などの調整に入って頂いています。
この取り組みでの「地域ならではの魅力やセールスポイント」は何だとお考えですか?
体験できるメニューの幅が広いことです。
農業では、北海道では少ない田植えや稲刈りの体験ができるほか、じゃがいもやスイートコーンのほか、メロンや花の収穫体験もできます。漁業では、海の沖に出て刺し網体験ができ、ホタテの養殖体験もできます。ホタテの養殖体験では、船の上で獲ったホタテをその場でそのまま食べてみるほか、陸に持ち帰って夕遊創(ゆうゆうそう)の加工室で調理実習をして自分たちのご飯にすることもできます。
漁に関すること以外にも、カヌーやヨットも体験できます。
山では、木を切る体験のほか、木で作った木工品で鳥を呼ぶ体験もできるなど、山・里・海の体験がたくさんあります。
これまでの取り組みで「困ったことや課題と感じること」は何ですか?
民泊の確保と、役割分担についてです。
農家さんや漁家さんにて民泊について好意的に受け止めて頂いているのですが、時期により難しい場合があります。たとえば漁の繁忙期など、受けたくても本業が忙しく受ける余裕がないということもあります。その場合は他の農家さんや漁家さんを探さなくてはいけなくなりますが、町全体として見た場合、特に問題もなく受け入れることはできます。
役割分担に関しては、現状では事務手続きも当日の動きも役場がメインで動いていて大きな問題はありません。ただ、将来受入数が増えていく場合、事務窓口と現場の窓口など業務を分担する必要が出てくると思います。
受け入れの調整から当日の準備まで、基本的に全て私どもがやっています。
たとえば、民泊先に足りない布団を「夕遊創(ゆうゆうそう)」から運んでいくことや、民泊先からの子どもの送り迎え、先生の送迎などをしています。当日の全行程に随行もしています。
現状のペースに少しプラスになるくらいであれば今の体制で問題なく対応できます。
この取り組みを進めていく上で「大切だと感じること」は何ですか?
子どもたちに、楽しんでもらうこと、満足してもらえる体験メニューと食事を提供していくことです。
子どもは、初めての土地に行くのであり、見知らぬ人の家に泊まるので不安をかかえています。子どもらより親のほうがもっと不安に感じているかもしれませんが。
不安に思っている子どもたちも、楽しければ不安は吹き飛びます。楽しくないと帰りたくなります。
そのため当町では、小平の魅力、食材の新鮮さ、美味さを感じてもらい楽しんでもらうことからスタートします。そして翌日からは、海でのカヌー・ヨットや漁船での体験、山での木を切る体験や工芸品と動物の体験、田畑での農業体験などを楽しんでもらっています。
子どもらが楽しくなるメニューを考えて提供していくことが、この取り組みでは一番重要だと思っています。
「今後の展開」について教えて下さい。
まずは、主に札幌や旭川周辺など比較的近隣の小学校を想定して受け入れを引き続き続けていきます。さらには、近隣市町と一緒に広域的に受け入れ態勢を作っていけたらと考えています。その場合は北海道内外の小学校を対象に大きく展開をしていければと思います。
2011年3月29日
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