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担当者インタビュー(黒松内町子ども宿泊体験交流協議会)
受け入れ組織プロフィール
受入主体
黒松内町子ども宿泊体験交流協議会
受入調整窓口
黒松内町役場産業課
特徴
黒松内町を流れる朱太川流域を主なフォールドとし、森、川、海の連携した自然のつながりを大切にしている体験活動を行っている。国内北限であるプナの森の中を散策し、カヌーで河畔林を眺めつつ川を下り、海で生き物観察や高台からの飛び込みなどをして、自然への眼差しを敏感にしていくことができる。また、畑作や酪農をしている農家へ民泊させて頂き、牛のお世話やジャガイモ掘りなどの仕事を手伝いながら、地域の人々とふれあいを体感することもできる。
担当者プロフィール
担当者
黒松内役場 産業課
主幹 川上 氏
プロフィール
寿都町出身、黒松内町在住。平成4年役場に奉職して、産業課、福祉課などを歴任。その後教育委員会に所属して学校教育担当となり、「豊かな体験活動推進事業」を通じて町内の小学生に自然体験活動を勧めていく活動を行う。平成21年4月より現職に就く。
担当者インタビュー
「活動のきっかけと立ち上がりの経緯」を教えて下さい。
黒松内町はブナの木が生育する国内北限の地であることから、「ブナ北限の里づくり」という町づくりの一環として10年以上前から、都市と農村の交流を進めていく動きがありました。
具体的には、平成5年より姉妹町である愛媛県西予市(旧野村町)の農業高校の生徒さんを受け入れており、平成21年は13名を9泊10日で酪農家7軒にて受け入れました。旧野村町はブナの南限の地であることから姉妹町として懇意にしており、酪農体験の相談を受けたことから始まりました。
ほかには、平成9年より、長野県小川村の小川中学校の生徒さんが酪農体験をしたいということで受け入れを続けており、平成21年は27名を2泊3日で酪農家8軒にて受け入れました。小川村へは黒松内町の中学3年生が修学旅行に訪れていることから、当町の生徒さんがお世話になっている村の生徒さんを受け入れようという話になり実現しました。
それぞれ役場同士や学校単位での交流があり親交を深めていました。こうした素地があり、さらに自然体験活動を推進していく黒松内ぶなの森自然学校もできました。
町内にいくつも窓口が生まれたため一本化することになり、まずは平成21年に準備会を作り、平成22年に黒松内町子ども宿泊体験交流協議会が誕生に、現在の姿となりました。
「立ち上げ後の歩みと現在までの活動状況」を教えて下さい。
黒松内町子ども宿泊体験交流協議会を平成22年4月に立ち上げて受け入れモデル地域に指定されました。
同プロジェクト以前より、中高生のほかに黒松内町内や隣町の蘭越町の小学生を受け入れてきました。その後2009年には瀬棚町立(現せたな町立)島歌小学校、馬場川小学校、伊達市立長和小学校を受け入れ、2010年には白老町立竹浦小学校を受け入れました。
それぞれ、10名から20名程度の小規模校での受け入れです。
「現在の中心的メンバーやコーディネーターのような役割」をしている人はいますか?体制はどうなっていますか?
黒松内町子ども宿泊体験交流協議会の事務局は役場内に置き、役場と教育委員会、地域住民と、黒松内ぶなの森自然学校が協働して運営をしています。
もともと町内には各所で受け入れをする窓口がありましたが、協議会を作り一本化したことから、協議会の窓口を役場の産業課におき、お金の支払い窓口や農家さんとの橋渡しを行っています。実務に関しては自然学校が行い、それぞれ役割分担をしていくことで、より受け入れを推進しやすい運営が可能となりました。
この取り組みでの「地域ならではの魅力やセールスポイント」は何だとお考えですか?
まず、ブナ北限の里としての体験メニューが充実していることです。森・川・海、それぞれを体感できるアクティビティーが多数あります。
これらのメニューを実施している自然学校は元々黒松内を本拠地に北海道内各地にも拠点を構えており、実績もあることからベテランのコーディネーターやガイドが町内に多数います。
そして、暖かく迎えてくれる農家さんがいます。以前より中高生を受け入れてきたことから、受け入れることが農家さん自身の活力にもなるという雰囲気ができています。
これまでの取り組みで「困ったことや課題と感じること」は何ですか?
最初、受け入れを酪農家さんに依頼をすることが一番大変でした。その当時は、黒松内の子どもも修学旅行先でお世話になるので、その村の生徒さんを受け入れましょうといい続けて何とか実現をしました。
最近では、学校さんの希望は夏場が多く頂くのですが、その時期農家さんたちは本業で忙しい時期にかぶります。その中で受け入れの話をまとめていくことが大変です。
酪農家さんも農家さんも、高齢化や離農で戸数が減っていく中、活力や生き甲斐になる事業であることは間違いないので、負担にならない範囲で受け入れのお願いをしています。
この取り組みを進めていく上で「大切だと感じること」は何ですか?
生徒さんに黒松内を想い出の一つとして振り返ってもらえることです。
そのためには、何よりも生徒さんに健康面や安全面の確保を考え、自然学校と連携しながら現地にも出向いて体験活動をバックアップしています。
内容に関しては自然学校と学校さんが、体験の目的をしっかり確認した上でプログラムを作っていくことで、生徒さんの記憶に残る体験を目指しています。
「今後の展開」について教えて下さい。
規模を拡大してどんどん大人数で受け入れていく考えはありません。10名から20名程度の小規模校の受け入れを着実に進めていく予定です。というのも、酪農家や農家さん数軒から10軒程度で実施することで目が行き届きやすくきめ細かい対応ができると考えています。また、黒松内町は大きな観光施設や観光ポイントがあるわけでもないので、大人数で受け入れるよりは少人数で受け入れて、田舎ではないと体験できないものを感じ取ってもらいたいと思っています。
こうして来て頂いた生徒さんが黒松内のファンになってもらえたらと思っています。将来また黒松内を訪れたり、黒松内の食材などの産物に興味を持ってもらったり、長い目で見て交流ができればと願っています。そのためには、しっかりきめ細かい対応を地道に進めていきたいと考えています。
2011年3月24日
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